藍木野の衣たち

藍木野の衣たち

約100年前の織機でゆっくり織られる綿織物は丈夫で長持ちします。
着れば着るほど心地よいこの布でシンプルで普段でも街着でもおよばれでもどんなところでも着られる、そしてどんな体型にもあうデザインを作成しました。
約巾38㎝の反物をつなぎ乍ら布をたっぷりと使って仕立てる技は日本の細やかな職人ならではの技です。
いまだ、ヨーロッパをはじめ諸外国に布素材として輸出できないのはその巾の狭さにあります。
しかし38㎝の巾を久留米絣はつらぬき通している由に、その丈夫さと着れば着るほどに良くなる秘密があります。
私の考えた衣たちを紹介します。

ビッグワンピース・ブラウス

着物の伝統に変わる包まれる服。
ゆったりと若、中、老体系の変化にも
心地よく着られるよう布を贅沢に使いました。
きりりとしたショール衿は
ループボタンで幾とおりにも表情が変わります。
『どんなお出かけ着にもなる服』そういう服作りを目標にしています。

ピンタックワンピース・ブラウス

衿元と身頃に施した美しいピンタックは熟練した職人さんが、1日~2日がかりで仕立てます。
亡き新井さんからこの道60年余りの小川さんに引き継がれています。
お二人とも日本で初めての試験で一級技能士の資格を取りました。
『絣はいきものだから!』といつも反物とにらめっこしながら裁断して下さっています。
仕立ての良さが藍木野の宝です。

立ち衿ワンピース

ウエストラインと裾のカーブは何度か変更しました。
たっぷりの布を使っていますが着ると重さを感じません。肩で着る服、衿や袖表情を大切にしたいです。
子供のころ憧れたヘップバーンをイメージしてデザインしているんですよ。
私が着たい服、あの人に着てほしい服、ずっと長く何十年でも着たい服そういう思いでデザインしています。

フリルワンピース、ブラウス

前身ごろ、後ろ身ごろに流れるピンタック。
何気ないV衿の少し立ち上がったフリルは日焼けや寒さ対策に最適でしかもおしゃれな優しい雰囲気の服です。
とても着心地良く夏は1枚で秋~冬はインナーの上にと、一年中活躍します。
ブラウスはゆったりサイズ、ロング丈など色々サイズ展開をしました。

色々なワンピース

長年温めてきた深いタックのワンピース。
たての流れをスッキリとそして着心地良くするために何度も作り直しました。
四段の切り替えに施したギャザーの分量を
おさえ、フェミニンな形でやさしいラインに。
久留米絣の洋服は布が高いのであまり使われていない民芸調のようなものしかありませんでした。
生地をたっぷり、たっぷり使い、旅行先や華やかな場所でも着やすく見劣りしない洋服、自分で着たい服、あの人が似合いそうな服、パターンを考えるのが楽しかったです。
クロッキー帳はたくさんのデザイン画でいっぱいです。
タックが多いのは高級感があり幅に余裕ができる為体系が変化しても着られるし、透けないので胸が目立たなくスッキリと見せてくれるからです。
色々なワンピースのご紹介

色々なブラウス、ジャケット

袖に配したリボンがアクセントのゆったりしたブラウス。流れるAラインが女性らしい。
デザインを考える場所は色々ですが一番楽しいのは歩いている時です。
街中を歩いている時に爽やかに颯爽と歩いている人に出会うと、あの人にはこんなのを着て欲しいなとアイデアが湧いてきます。
せっかくおしゃれな服を着ているのになんだか生き生きしていないなと思う事もあります。衿やシルエットを変えたらきっと歩き方まで変わるのでは?
ずっと飽きない服、街を歩くのが楽しくなる服、気持ちよくいつまでも着ていたい服。
それが藍木野の衣たちです。
色々なブラウス、ジャケットのご紹介
一枚衿ブラウス:シンプルなブラウスを。ほど良い丈、ほど良いボリュームでゆったりとしたAラインのブラウス。着る人をスッキリ見せると人気です。

ベスト、スーツ

日本三大絣の一つに数えられ200年以上の歴史を持つ久留米絣。
その伝統的な久留米絣を現代のライフスタイルに寄り添う洋服として受け継ぎたい。
そんな一途な思いから『藍木野』というブランドは生まれました。
着心地の良さとナチュラルで美しいシルエットを心がけて。
流行に左右されないシンプルなデザインで脱ぎ着がしやすく着くずれしにくいことも魅力の一つです。

たっぷりとしたフレアースカートにショート丈のジャケットでバランスよく。
きちんと感があるのでおしゃれ着はもちろん、お仕事の発表の場に着ていかれる方も。
ジャケットとスカート両方とも黒地と絣地のリバーシブルなので色々なアレンジができます。反物を重ねてあるので暖かく着ていただきます。
ベストは普段にも絣を着たい方におすすめです。
どの丈も重ね着を楽しめます。

コート

ビッグコートは8枚はぎでたっぷり反物を使っています。繋いでいる部分は全部折り伏せ縫い。
比翼仕立ての打ち合わせや、袋縫いのポケットなど細部まで丁寧な高級仕立て。
何十年も代々繋いで行けるコートです。
ビッグコートは子供の頃の洋画の世界が目に焼き付いていたものです。
オールドファッションの再現。
そう!これも20年以上前何度もスタッフにやり直してもらい大満足の幸せの一着。
20年経ってやっと自分のコートになりました。

四重奏ジャケット、コート

冬温かく軽い布をと西原織物さんに織って頂いた藍木野オリジナルの反物『四重奏』。
太さの違う4本の糸を組み合わせ、ゆっくりと織り上げた反物は厚手ですが、羽織ると軽く体を温かく包み込んでくれます。

ギャザー衿ジャケット:藍木野定番ワンピースに羽織れるジャケットをという要望からできました。
ギャザーを施した衿は大人の女性の可愛らしさをより引き立てます。
フード付きコート:衿元からフードにかけてたっぷりと生地をつかっているのでコートの中で暖かな空気に包まれ、ボタンがなくても自然にふんわり重なります。

吉田縞シリーズ

昔から、戦後まもなくまで丹前用に縞を織っていました。
その中の一つだと思います。20年前小さな端布を見て、この柄を織りかえしてほしいと。
吉田が気に入った柄として通称吉田縞と名付けました。
さらっとした布の感触、紺と黒の縞の太さバランスが大好きです。
紺系が一本、黒系が一本多かったり少なかったりしただけでぐっと趣が変わります。
20年着ていてますます馴染む丈夫さと心地よさは丹前用に適していたのだと納得です。
ブラウスやジャケットにワンピースやスカート、パンツを合わせて自分流にコーディネイトするのも楽しみの一つ。
吉田縞シリーズのご紹介
PAGE TOP